六番目

⇒読書
■夕ばえ作戦/暁はただ銀色:光瀬龍
男の子は忍者と機械と体育5、そして智恵と勇気でできている。そんな作戦。
銀色の見どころは無精ヒゲ生やして一生懸命がんばるがほぼ空気な緑川先生、高橋教授始め専門科チーム、真の主役了雲師あたりだと思われます。
とにかく無暗にかっこいい和尚。
確かにジュヴナイルSFなんだけど、印象に残ったのは和尚。
男心はいつまでもジュヴナイルSF。
そういうことなんでしょうか。
女性ユニットがどこまでもヒロインであるところに時代を感じると共に、一種の様式美も感じる。
今だと少年組の誰かが女の子になったり、緑川先生あたり巨乳先生だったりするかもしれない。
登場女性の神秘性にマツモト作品を思い出した。
1000年女王とか。
ところでこの銀色を読むと、九龍のサヨマユが見せてくれた銀光がなんだか怖いよ。

■六番目の小夜子:恩田陸
なるほど、《転校生》。
個人的には、この《転校生もの》が、ちょっと新鮮だった。
なぜなら自らが《転校生》だったので、憧れや夢を抱けなかったというか、そういう方面で燃え、あるいは萌えたことがない。
言われてみれば確かに伝奇要素を詰め込むのにも適した素材だし、ジュヴナイル学園ものの密度を上げるには、これはもう必須科目だ。
《転校生》という《異物》がその真価を発揮するのは、小学校を最高として中学校までだと思う。
高校になると範囲が広くなるから、入学当初は知らない顔の方が多いわけで、《転校生》だけに許されるべき神秘性などの特権が薄れてしまう。
そこで、同郷的な団結力愛着心独自の空気、閉ざされた空間などが育つためには、三年生なんだなと納得した。
高校を舞台にするとき、暖かで穏やかな日常の中に侵入してくる未知の敵《転校生》は、三年生が最も輝く。

投稿者 月岡真遙 : 09:37 PM | 感想 | |
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